2021年に入ってから帯状疱疹にかかり医療機関を受診している方が多くなっているとニュースで流れてました。原因としてコロナ発症で体力が落ちることも十分に考えられますし、コロナ禍でストレスが増えた人も多いことでしょう。外出制限や在宅勤務で運動量が減れば身体も弱り防衛体力とも言われる抵抗力が低下する可能性もあります。
ヨーロッパではワクチン接種後に皮膚反応を起こした症例がいくつか紹介されていましたので、巷ではワクチン摂取による副作用と言われていますが、科学的根拠が未だはっきりしていませんので、その問題は別として、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化や単純ヘルペスウイルスの再燃が認められたとありました。日本人成人の9割以上には、水痘帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏していて、帯状疱疹を発症する可能性があると言われていますが、我々の分野からは、その後に残る肋間神経痛について、緩和解消出来るプログラムを考案して行きたいと考えております。
以前は、肋骨の骨折やその後遺症として出現する場合、胸椎の圧迫骨折、胸部、背部の打撲による外傷による肋間神経痛がほとんどでしたが、水痘ウィルス(いわゆる水疱瘡)により、帯状疱疹及び肋間神経痛として出現するウィルス性によるものも含まれます。
我々が日頃から肋間神経と呼ぶ神経は、胸神経の前枝を肋間神経と呼びます。この肋間神経は肋間隙の上位肋骨の下縁に沿い、内外肋間筋の間を走行し、第1~6肋間神経は胸骨縁に達しています。胸骨とは胸の真ん中にある骨です。第7~12肋間神経は下位ほど、背中から斜に前下方に走り、内腹斜筋と腹横筋の間を通って身体の前中央(白線)へ達しています。つまり背中から上部は肋骨に沿って胸の前に、下部はお腹の前に神経が走っています。
身体を捻る動作に例えてお話ししますと、肋骨から骨盤にかけて斜め方向に位置する腹斜筋が貢献しています。腹斜筋は、胸骨を引き下げる役割もあり呼吸にも関連しています。腹部にコルセットのように巻き付いている腹斜筋の動作を鍛えることで肋間神経痛の緩和改善するばかりか、身体の健康維持にも効果があり、内臓の位置を適切な位置に強制し、腹圧や排便をサポートする役割も担うようになります。
また、脇腹と呼ばれるところにある外腹斜筋と外腹斜筋の深部付着している内腹斜筋が滑らかに動かせるようにすることは、くびれたウエストや逆三角形の身体を作るのに欠かせません。
腹斜筋のなかでも外腹斜筋を鍛えることで生まれるくびれは腹直筋を強調する働きがあります。腹直筋が浮き出たいわゆるシックスパックの状態の人であればそのシックスパックがより際立つようになります。腹筋をある程度鍛えあげたけれども、凹凸がなく迫力に欠けるという人は腹斜筋を鍛えることで改善される可能性が高いといえます。
コルセットのように腹部に巻き付いている腹斜筋は、鍛えることでお腹をコルセットのように締め付け逆三角形のボディラインを生み出します。屈強な大胸筋と三角筋などの大きな筋肉と、引き締まった腹部の筋肉というメリハリのついた体は腹斜筋を鍛えることなしでは手に入れることができません。
腹斜筋はその他の腹筋を構成する腹直筋や腹横筋と共に腹腔に臓器を収める役割を果たしています。鍛え上げられた腹斜筋はこの役割を果たし、臓器を適切な位置に収め代謝の増進や便秘の改善など多くのメリットをもたらします。それとは逆に腹斜筋が衰えていると代謝不良や便秘だけでなく、臓器が前方に出てくることでお腹の出た見た目的にもだらしない身体になってしまうので注意が必要です。
肋間神経痛予防改善のためのやまおく体操
・肘かわし体操
肘かわし体操は、肩周囲の筋肉を刺激することができ、上半身でも大きな部分を占める三角筋周辺の筋肉群をしっかりして、姿勢の良い身体造りが出来ます。
また、ボクサーやラグビー選手の上半身を見てわかるように、肩周囲が盛り上がっていると思います。このような強くたくましい身体のアスリートは、逆に慢性的な肩こりに悩まされている方も少なくないので、なるためには、肘かわし体操のような三角筋周辺の筋肉群を刺激するトレーニングは、欠かせません。
腕の最上部に位置する上腕三角筋も同時に刺激出来るため、二の腕の振袖状態が、気になる方にも、お勧めです。
・肘引き体操
肩を覆う筋肉(三角筋)は、上半身の中で、比較的体積の大きい部位です。三角筋は、前部・中部・後部に分けられ、全て肩関節を動かすのに異なる機能を持っています。
肘引き体操では、前部・中部・後部の全ての部分を鍛えられます。肩関節周辺の可動域を広げ、日常生活だけでなく、あらゆるスポーツにもお役に立てます。目線より上に、腕をあげることが、少ない一般の方には、三角筋を鍛えることで、なで肩等も解消されますので、衣装を着られても、姿勢良く、健康的に見えます。
・立って膝内捻り体操
立って膝内捻り体操は、腰痛や肩こりなどお悩みの方にも、お勧めですが、運動不足や日々の生活で身体の硬さや重さを感じている方にも必見です。
バリスティックな動きによって内転筋、腸腰筋、深層外旋六筋を刺激するトレーニングです。
これらのやまおく体操を使った肋間神経痛予防改善のためのやまおく体操プログラムは…
肘かわし体操+肘引き体操を交互3~5周行って立って膝内捻り体操を1セット行うことを3~5周行うと良いのですが、動作に動員される筋肉量が少ないなど最初うまく出来ないこともありますので、肘かわし体操+肘引き体操を交互〜3周行って立って膝内捻り体操を1セット行うことを3~5周行うと良いでしょう。
また、出来そうでしたら、腕横振り(スツール)を試してみましょう。一般的にやられている三角筋の筋トレ種目のサイドレイズ 、アップライトローイング、 フロントレイズ 、ショルダープレスは、三角筋を縮めて硬くすることが出来ますが、筋肉はバネのようなものですので、バネの機能を損なうと疲れやすくなったり、三角筋鎖骨部の筋肉の働きとして肩を内に回す働きもあるため、猫背の方は巻き肩の状態で使うことになり、巻き肩を助長する恐れもあります。
三角筋は前部・中央部・後部に分けることができますが、従来の方法では仕組みと働きから考えても後部があまり鍛えることが出来ません。
野球やバレーボール、テニス等、肘を深く曲げずに腕を後方に引く動作がある競技は多いですので、重りを使って腕横振り(スツール)運動で三角筋後部をトレーニングしておくと競技力向上にもつながります。