季語を盛込み、感情を述べずに五七五で表現する。制約あるからこそ、俳句の世界は奥深い。技巧の凝らしがいがあるのも、その成約ゆえ、これがもし自由なおしゃべりだったらどうなることでしょう。
語り散らした言葉の応酬は、その場限りの楽しさで終わってしまうかも知れません。入門者は、楽しさを語り合い、上級者は、億深さを語り合うのかも知れません。ようこそ、制約を通じた奥深い世界へ…
身体には、脳と全ての器官が自律神経系にて連結されていて、体内環境全体を抑制・制御されています。この自律神経系は、ストレスに対する重要な防御であると同時に、ストレスの主要な兆候を初期段階で明らかにしてくれる機構でもあります。
自律神経系には、器官を活動させ、運動などの肉体的ストレスに対処する準備を整える交感神経と、体内の維持管理的なバックグラウンド機能を抑制・制御する副交感神経の2つの下位分類が、存在していて、機能的に陰と陽のバランスを取ることが、出来るようになっています。
交感神経系の活動が優位になると、心臓の鼓動が速くなり、皮膚などの重要度の低い器官に向かう血管が収縮し、呼吸が激しくなり、意識レベルが高まります。また、眼球の突出、体温の上昇 (脂肪が燃焼される)、運動神経の活性化、動悸や不整脈が、感じられ、不安による発汗などが、起こることもあります。呼吸数が、増加して呼気が荒くなり、動脈血が、アルカリ性に傾くこともあります。
この場合、神経が、過剰興奮状態になり、口の周囲や指の先端部などに疼きや痺れなどの不快な感覚が生じるようになります。脳に向かう血管が収縮し、目眩や脱力感を引き起こすこともあります。こうした感覚は、多くの場合、その主体である人間の不安感を増大させ、交感神経系の初期刺激を増大させることになります。
こうした交感神経系の活動を抑制・制御する役割を担っているのが、副交感神経系です。副交感神経系は、安眠中や休憩時など、身体が、リラックス状態にある時に、臓器をコントロールします。心臓及び、血管、呼吸パターンを調和させ、心拍数の減少、血管の弛緩、緩やかで深い呼吸などを生じさせます。内臓や皮膚への血流量が増え、食物消化などのバックグラウンド機能が、促進されます。
交感神経・副交感神経の双方の働きは、知られていましたが、針を指して等の測定が、極めて難しいため、健康なのか?病いなのか?を、知ることも出来ませんでしたが、数理解析のバイオリズムによって、自律神経系の仕組みについての理解も深まり、心血管、肺、中枢神経系の間には、複雑な相互作用が、存在することが、解るなど、ストレスの研究を前進させました。
私達は、お湯を沸かしてコーヒーを飲んだり、冷蔵庫から牛乳を取り出したり、通勤電車に乗ったり、携帯電話のバッテリーを充電したりしますが、これらには、全て温度センサーが、使用されています。温度の監視と管理は、人間生活の基本であり、それを実現する技術の多くは、偉大な科学者によって生み出されてきました。
温度計は、1592 年にガリレオによって発明されたものですが、当初は、ガラス球を使った簡単な空気温度計でした。今日では、様々な技術と設計の多種多様で高度な温度センサーになり、工場、病院、学校、家庭など、多くの状況や環境で、様々な便益をもたらしています。
身体には、このような、多種多様で高度な温度センサーが、多数備わっています。これらのセンサーは、心拍、血圧、体温、血液の生化学的特性、血中の酸素量/二酸化炭素量などを検出し、対象ごとに、検出感度と遅延度が、それぞれ異なる複数のセンサーが、存在しています。この結果、各測定対象 (心拍、血圧、呼吸数など) は、一定の値を示すことなく、複数の周波数で同時に変動することになります。
こうした変動リズムは、数学的に解析することによって、各センサーの検出感度と遅延度及び、各センサーに繋がっている神経の活動を明らかにする手掛かりとなります。センサーとそれらにつながった神経が、 交感神経系と副交感神経系の機構に相当します。
これらの変動を調べることによって、交感神経系と副交感神経系の機構が、どの程度活発に活動しているか?、またどの程度の対応能力を備えているか?を知ること出来ます。また、そのリズムを把握するのは、身体機能について知見を得るためだけでなく、重要な医学的用途が、存在するためでもあります。
例えば、心臓発作等で、集中治療室に収容されている方の4秒間の心拍振動幅を観察することによって、生死を予測する信頼性の高い因子として活用されています。その後の回復後の日常生活中の観察からも、生理学的健康に関する情報を入手したり、抱かえているストレスや、対応能力のレベルを把握することも出来ます。
ストレス検査法は、新しい分野の生命科学でも活用されようとしています。この動きは、ストレスの軽減を図ったり、ストレスの悪影響を排除するための予防法や、ストレス抵抗能力を高めるための手段の開発にも、直結しています。
入門者は、楽しさを語り合い、上級者は、億深さを語り合う。そんな中でも、交感神経系と副交感神経系の機構が、どの程度活発に活動しているか?、またどの程度の対応能力を備えているか?を知ること出来ますね。