スピリチュアルなものとか、何だか怪しいというイメージが根強く浸透していますが、最近では、マインドフルネスという名目で、瞑想が企業フィットネスの一環として社員研修に導入されたり、生活の一部に取り入れています。みなさん自身は、いかがでしょうか?
先日、やまおくジムのお客さんの経営される企業さんにお邪魔して、脳科学から見た瞑想についての講話と実技指導をしてきました。頭の中が空っぽになったり、無の状態になるのは最終境地のことを言います。瞑想には心を1つに集中する凝念、心の働きを静め澄み切った状態になる静慮、自分の意識が消え対象が光り輝く状態に入る三昧の三段階があり、その段階によって体験することも異なります。
初級は、1つのことに意識を向ける段階から始まります。何に意識を向けるのかは人によって異なっていても構いませんが、感覚を使うことがやりやすい方法ですので、初心者の方は呼吸に意識を集中することから始めると良いと言われています。他にも歌うことや食べることに集中するといったやり方もありますが、兎に角、何か1つのことに気持ちを集中させる状態、これが瞑想状態の入口となります。
瞑想をやってみたことがある方なら経験があるかもしれませんが、何か1つのことに気持ちを向けようとすると、そういえばあれやってないなぁなど別のことを思い出してしまったり、気持ちが移ることがあります。これでは全然瞑想になっていないと思われるかも知れませんが、これも瞑想の1つのステップになります。
脳の視点から捉えても、感覚の中でも扱いやすくて単調性がある呼吸に意識を向けることは、瞑想に適しています。呼吸のように単調なもの、同じような情報に対して注意を向け続けていくと、人間の脳は、どうしても飽きてしまいます。例えば面白く無い先生による授業で、あれしたいこれしたいと別のことを考えてしまったりすることはありませんでしたか?。これはマインド・ワンダリング(心ここにあらず状態のこと 笑)と呼ばれる無意識に近い脳のおしゃべり的な状態になります。生物としてごく当たり前の現象です。
実は、この時に多くの場合、無意識の中では前後1日の出来事について考えたりしています。人は少し未来のことだったり、少し過去のことに囚われやすい生き物でもあるからです。
人がそのようにぼんやり考えている時、脳の中では、脳疲労予防改善プログラムでも触れたデフォルトモードネットワークが活動的になっています。無意識でやっている行動などがデフォルトネットワーク、意識的に行う思考や行動がセントラルエグゼクティブネットワークです。途中で、あ⁈今別のこと考えてる…と気づけると、それはデフォルトモードネットワークが活性化したんだなと思って下さいね 笑。
デフォルトモードネットワーク(DMN)とセントラルエグゼクティブネットワーク(CEN)の間には、DMNとCENのハブ的な役割を果たすセイリエンスネットワーク(SN)があります。この3つのネットワークは脳神経科学の視点からも人間の思考や行動に影響を与える大事なネットワークと言われています。瞑想をすることで、自然とこの3つのネットワークを行き来し、活用することが出来ます。これが瞑想の効用の1つなのです。
マインド・ワンダリング現象が起こり気が逸れた時、また呼吸に意識を戻すことを続けていくと、必然的に今この瞬間の自分自身に注意を向けることになります。瞑想をやる意義は、今この瞬間に囚われる練習でもあります。もし指導技術を今より伸ばしたいとお考えの方は、是非、習慣的に取り入れてみて下さい。
僕の学生時代は、競泳以外に柔道をかじっていたことがあって、これに気づくことが出来ました。スポーツしている最中の瞑想を仕事中に再現出来ると、同じ1時間仕事をしてる中で2つ3つと同時に複数の脳を刺激することも出来、見る見る成績を伸ばすことに繋がります。過去に高松商業野球部が全国制覇した時のように、常に1回戦負けだった高松中央高校野球部に処方したところ、ベスト4まで進出出来ました。脳科学から見た瞑想、是非お試し下さいね。
様々な分野に神経科学の知見を応用しておられる青砥瑞人さんの「ハッピー・ストレス」全6話 60min
Ep.1 神経科学からみるストレス
Ep.2 ストレスは「いいやつ」でもある
Ep.3 ダークストレスとの付き合い方
Ep.4 どうやってストレスに気づくか
Ep.5 ドーパミンを活用する
Ep.6 ストレスをハピネスに
https://voox.onelink.me/KbDS/PRT
ご興味あれば、こちらもお聞きになられると、将来、自費リハが盛んになる頃には、他の施設と格差を生み出すことが出来るようになるかも知れません。