脳の中で情報をやりとりしている最小単位は、神経細胞(ニューロン)です。
1つの神経細胞からは長い軸索と、複雑に枝分かれしている樹状突起と呼ばれる突起が出ています。
これらの突起は、別の神経細胞とつながり合い、複雑な神経回路網(ネットワーク)を形成しています。
1個の神経細胞は、それぞれ1万個もの神経細胞と連絡を取り合っています。
神経細胞内では、電気の流れが情報を伝えます。
神経細胞と神経細胞の接合部分は、シナプスと呼ばれるわずかな隙間があり、この部分では神経伝達物質が次の神経細胞に情報を伝達しています。
脳以外の組織、たとえば、皮膚の細胞や髪の毛はどんどん入れかわります。傷ついても新しい細胞が生まれて修復されます。
しかし、脳の神経細胞は、損傷すると再生することはありません。出生後、一度も細胞分裂せず、ほぼ同じ細胞を一生使い続けます。
脳の神経細胞は、5歳ぐらいまで急速に成長します。
若い脳は、神経細胞が大きくなるとともに、樹状突起が遠くまで枝を伸ばして神経回路網が発達し、20歳になるまで脳の重量は、増え続けます。
しかし、20歳を過ぎると脳の重量と容積は減少していきます。
脳の神経細胞の数は、生まれた時が一番多く、加齢とともに減っていきます。
20歳を過ぎると1日に10万個の神経細胞が減少するともいわれていましたが、実際には、神経細胞の数は、2歳ぐらいまでに7割ぐらいが消えてしまいます。
そして、部位によっては、その後、神経細胞の数は、ほとんど変わらないのです。