やる気のコントロール
| 脳・神経
先日、脳は、どのように心を生み出しているか?についての話題でしたが、今回は、やる気について…
みなさんにも、やりたいこととやりたくないことがあるかと思われます。もし、やらなければならないことに、やる気を出すためにはどうしたら良いんでしょう?。人によって興味を持つことや意欲が湧くことが異なるのは、なぜなのでしょうね。
やる気があれば何でもできると言われてますが、では、やる気をコントロールできれば、もっと意欲的に効率的に過ごすことが出来るはずです。能力や成果の源となる、やる気とは、一体何なのでしょう。
神経筋制御論に沿った運動法のか解説の中にもありましたが、脳は意識的な活動も無意識的な活動も司っています。脳は意識的な活動も無意識的な活動も司っていますが、実は無意識的な活動の方が先に出るという知見があります。まず無意識的な活動があり、その後に意識的な活動に移行していきます。無意識の活動は意識とは関係のない処理によって起きていますので、やる気について理解するために、無意識の活動を理解する必要があります。
僕は、元々数学が得意でしたので、例えば運動処方をする際にも、この症例に対してこの運動処方には、有意性があるかどうかの臨床を繰り返し、統計的に経過をみる性格があります。有意性があって、更にやる気が起こり、科学的根拠と照らし合わせる日々を過ごして来ました。
もしこの時、統計学の不確実性に出会ってしまったら、やる気を失ってしまうことでしょう。ここで言う不確実性とは、難しさや分からなさです。高い不確実性を受け続けると、脳は嫌気がさしてやる気を失います。
逆に、あまり簡単なことばかりやらされると、飽きて嫌気がさしてきます。この不確実性のバランスをゆらぎと呼んでいますが、ゆらぎをうまく使うと、不確実性で予測できない新しさに興味を持ち、疲れたら簡単なことで学習意欲を引き上げるといった方法で無意識をコントロールできるようになっていく訳です。
今回のお勧めの著書
『モチベーション脳 「やる気」が起きるメカニズム』
この著書にも、予測しやすいことと予測困難なことをバランスよく学習している状態が望ましいと書かれていて、自分ではなかなか気づけない性格の1部分に触れられ、大変嬉しくなりました。
どのような仕事でもマニュアル化すると予想外のことは起こりにくくなります。予想外のことが起きないようにすることは大切なことですが、全てがマニュアル化するのではなく、予想外のことにも出会えるようにして不確実性を求めることで、やる気をコントロール出来るようになりますから、認知機能を衰えさせないためにも、いくつになっても気をつけておくことが重要かと思いました。
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