身ぶり手ぶり を入れると伝わりやすくなる
| 脳・神経
最近では、大企業の経営者のスピーチがYoutubeでも、ご覧になられるので感じられているかと思いますが、ボディーランゲージと申しましょうか、身ぶり手ぶりをしながらスピーチされる方が、殆どです。
実は、この身ぶり手ぶりをしながら話すと、脳科学の立場から相手に話が伝わりやすいと言う説があるのだそうです。僕は、あまり読まない雑誌ターザンですが、今回は、そのターザンに、大阪公立大学大学院現代システム科学研究科の牧岡省吾先生が脳科学の分野から解説されていました。
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言葉を脳内処理する際に身体動作も含めて認識しているのだそうで、身体心理学の身体化認知と呼ばれているそうです。
身体化認知とは、身体的感覚が判断の助けとなるという考え方に基づいた理論です。 Williams and Bargh(2008)の研究では、冷たいコーヒーを持った後に比べ、温かいコーヒーを持った後の方が、他者を温かい人であると評価することが検証されていました。人が身体で感じるものとか目で見るものが人のメンタルにも、だいぶん影響を与えていると言うことですね。
その他の身体化認知の例は、ふかふかのソファーに座っているとき、一緒にいる相手が優しい人に見えるのだそうです。 応接室や待合室に置かれる家具やお出しするお飲み物に、そんな工夫を加えることも、裏技と言えるでしょう。
身体化認知は、近年注目されているセンサリー・マーケティング(感覚マーケティング)とも深い関連を持っています。ですので、身体化認知の可能性は、学術界のみならず実業界においても今後重要視されています。
背筋を伸ばすことで気分がシャキッとしたり,ホッと一息つくことでやる気が回復したり、表情・視線・姿勢・呼吸・接触(タッチ)・筋緊張・体動といった身体反応を意図的に変えることで、気分・生理・認知に大きな影響を及ぼすことでしょう。 となると、身ぶり手ぶりをしながら語ると、会話に関連する動きがあった方が言葉も出やすくなると言う訳です。
身体化認知の研究が進み数値化されていくと、出来ないと思われていたロボットへの転用も、可能になるかも知れません。そうなると、ますます人が要らなくなると判断させるかも知れませんから、特に注意が必要です。
お客さんからは、運動指導者は、運動指導は出来て当たり前と思われています。大切なのは接客応対です。コミュニケーションを取るのが苦手と言ってお座なりにせず、お客さんに対してレクチャーする際、身ぶり手ぶりなどのボディーランゲージを加えながら語り、お客さんの身体だけでなく、心の側面からも解きほぐしてあげる工夫をしてみては、いかがでしょうか?