長く寝ると良い…と思われている方も少なくないと思います。
必要な睡眠量は、ヒトによっても年齢によっても異なると思いますが、以下の様々な報告もありますので、ご参考に…
京都府八幡市教育委員会は、睡眠が8時間以上の中学3年生と、6時間未満・9時間以上の小学6年生は、眠りの浅さなどによりテスト正答率の低さが顕著であることが全国学力テストと学習状況調査でその傾向が見られたことについて触れています。
うつ病の時に眠れないとうつのリスクが増えるのですが、睡眠を取り過ぎると、抑うつをもたらすとも言われています。特に深い眠り・徐波睡眠の取り過ぎには、注意が必要です。
寝過ぎると緊張が緩んで頭の血管が広がり、これが原因となって頭痛が起きると言われています。血管が広がることで三叉神経という脳神経を刺激し、同時に神経伝達物質などの放出により血管の周囲に炎症が広がると考えられているからです。頭痛により吐き気を催すこともあり、吐き気は、頭痛が強くなればなるほど強くなるとされています。
60~70代の高齢者2700人を対象に、3年に渡り実施した調査では、調査開始時と終了時に、被験者の認知機能の変化をミニメンタルステート検査(MMSE)で評価したところ、日々の睡眠時間が9時間以上のヒトは、6~8時間の人よりも脳の認知機能が3年前よりも著しく低下していることが明らかになったそうです。その低下率は、6~8時間睡眠のヒトの約2倍にも上っていたといわれています。
死亡率と睡眠時間の関係を調べた研究によると、最も死亡のリスクが低くなるのは7時間台。しかし、それより1時間多い8時間台になると死亡率は高まり、むしろ睡眠不足とされる5~6時間台よりもハイリスクとなるそうです。さらに9時間以上ともなると、死亡率は飛躍的に高まります。このことは動脈硬化の原因とされる中性脂肪やコレステロールの血中濃度からも裏付けられており、8時間以上の睡眠は中性脂肪を増やし、善玉コレステロールを減らすことがわかっています。
どの論文を読んでみても、9時間以上の睡眠は、睡眠の質の低下につながるそうなので、週末、普段より長く眠ろうとするのはやめましょうね。
睡眠の質を向上させる方向に努力してみましょう。