今年新年の初夢は、何でしたか?
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僕の夢は、いつも現実か?夢か?わからないような夢を見ることが多いのですが、前日に映画を見過ぎたのもあって、謎のウィルス蔓延がおさまった後に氷河期がやって来て人類が滅亡してしまう、とても疲れる夢でした 笑。凍った人間を叩いて粉々にしていく侵略者みたいな生物が現れて、侵略者に見つからないよう粉々になった物を、こっそり集めて来てスマホでスキャンしてソフトで復元するアプリ開発したところで目が覚めました 笑。その後は、きっとみんなで戦いたかったんだと思います。
夢が自身の精神機能(精神状態)と関連して内生的に生まれる現象であると唱えた学者さんが居たそうで、夢は主に霊やお告げなど宗教的な視点から語られ、その中では夢は神や自然など外部から与えられる体験だと信じられてました。夢占いとは莫大な統計データによるもので、霊やお告げなど宗教的な視点によってまとめられてますね。夢は抑圧された願望の無意識的な発露であり、その暗示を読み解き、抑圧から解放することで、本人も自覚しないストレスに起因する種々の心身症状が治癒するとまで言われてました。
その後の脳科学の進歩によって、夢の解釈(夢判断)による治療は科学的根拠に乏しいという批判が高まり、汎用性(多くの患者に効果がある)や再現性(同じ治療法を行えば同等の効果が得られる)も十分に実証されていないこと、簡便な手法ではないことなどの理由から、現在の精神医療の中ではほとんど行われることはありません。しかし、誰もが夢を脳科学的に扱い、夢と精神機能、特に記憶や情動との関連に科学的な考察することに非常に興味あるものです。
夢の多くはレム睡眠中に見ています。レム睡眠中に被験者を起こすと、僕の今年の初夢のように、かなりの高率で直前まで鮮明な夢を見ていたことを思い出すことが出来ます。レム睡眠は睡眠開始後に約90分周期で出現し、一晩に4、5回ほど繰り返しています。明け方になるほどレム睡眠は長くなり、鮮明でストーリー性のある夢を見やすい傾向があります。ノンレム睡眠中にも夢を見ることがありますが、ぼんやりとした曖昧な内容の夢が大部分ですので、これがいつもの夢ですから、レム睡眠でもノンレム睡眠でも夢を見ていることになります。
ちなみに、夢を見ると表現するように夢は視覚体験を中心にしています。それは、レム睡眠時には、脳の下部に存在する脳幹と呼ばれる部位から視覚に関わる大脳皮質を活性化する神経刺激が発せられているからです。脳幹の橋(Pons)から外側膝状体というところを介して大脳皮質の後頭皮質に向かう脳波をPGO波と呼んでいますが、外側膝状体や後頭皮質も視覚に関わることから、夢を見ているということになっています。レム睡眠中に大脳皮質が活性化され、各領域に保存された様々な記憶が引き出され夢体験となると考えられています。PGO波で刺激される後頭葉の活動は夢の中では鮮明な視覚体験となって現れているのでしょうね。
アスリート時代とかに、レースの情景を思う浮かべ成功する体験を何度も何度も頭の中で繰り返すメンタルリハーサルなどの心理トレーニングを積んだりしていると、大脳皮質の活性化のされ方によっては、音や匂いに満ちた夢になることもあるかも知れません。単なる思い込みが強いだけかも知れませんがね。
また夢を全く見ないという人もいらっしゃいますが、そのような方でもレム睡眠は出現しています。実際に夢を見ているけれど、思い出せる夢と忘れる夢の違いのメカニズムについては未だ分かっていないのですが、起床後に思い出せない場合がそれに当たります。癌などを見つけるための検査で、放射性同位元素を含んだ弱い放射能を出すお薬を注射して体内の代謝状態を画像化するPETを用いて、睡眠中の脳の活動を調べた論文もありますが、怒りや恐怖などの情動の発生や記憶に関わる扁桃体や、記憶の保存に重要な海馬などの脳部位がレム睡眠中に活性化していることを確認した文献が多数ありましたので、みんな夢を見ているはずだということになっています。
夢占いは、科学的根拠がありませんが、実は、夢の中で紫色に光る洞窟がいつも見えます。その中を除くと綺麗なお花畑が見えるのですが、その中に入るのが怖いので、足だけ突っ込んだことがあります。その翌日から開眼したような気がしたのですが、あれは何だったのでしょうか。やはり夢だったのかな…笑