やまおく体操で高めの血糖値や血圧をコントロールする…
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健康診断等でメタボリック症候群や高血圧と判定された方々を対象に、やまおく体操を応用した運動プログラムを週2日3週間×4セット(つまり3ヶ月程度)を実施したところ、血圧が低下し、心臓血管が健康になり、10年間の心血管リスクも改善出来たとのご報告がありました。
2型糖尿病とともに生きる人が、運動をするときは、夕食後に行うのが効果が高いという研究も発表されていますが、やまおく体操なら、いつの時間帯でも障害がある無いに関わらず、子供からご高齢の方々まで無理なく続けられます。
従来の意識的していた自発的呼吸ではなく、自然に呼吸をしながら行えるやまおく体操は、1分辺り心拍数100〜120拍程度で脂肪燃焼効果が高く、身体的エクササイズやストレッチ運動の要素も含まれており、リラックスやストレス解消の効果も期待出来ます。やまおく体操の基本的な動作を覚えれば初心者でも無理なくでき、自宅や室内、職場でも気軽に取り組めます。コロナ禍でテレワークやリモートワークが増えた時期に、やまおく体操を始めたという方も多いです。
運動を習慣として行うことを勧めても、仕事や育児・介護、家事などで忙しいなどの理由で、運動を続けられないという人が多くみられ、複数のやまおく体操を組み合わせたプログラムであれば、運動を無理なく続けられ、心血管リスクも軽減できる可能性があります。
某医療機関では、腰痛を訴える方々の中で、健康診断で高血圧とメタボリックシンドロームと判定された60人の男女を対象に、お散歩や早歩きなどの有酸素性運動や筋トレなどを1回30分、週5回行うグループと、それらの運動に加えてやまおく体操にも取り組むグループに分けて比較しました。
3ヵ月後、両グループで安静時の収縮期(最高)血圧、拡張期(最低)血圧、平均動脈血圧、心拍数が減少しましたが、やまおく体操にも取り組んだグループは、最高血圧が10mmHg低下しました。やまおく体操にアプローチすることで、安静時の心拍数と、10年間の心血管疾患の発症を予測するリスクスコアも低下することが示されました。
このプラス効果の根底にある正確なメカニズムについては完全には分かっていませんが、やまおく体操に取り組んだ方には、他の運動にないベネフィットがあると予測されています。
健康診断などでメタボリック症候群を指摘された方は、医療機関を受診して薬による治療をはじめる必要があるほどではないにしても、内臓脂肪がたまっていて、脂質・血圧・血糖の値が高めになっています。
今回の研究は、血圧が高めの方を対象に、薬物療法以外の選択肢により血圧管理と肥満の解消をはかり、一次予防運動プログラムを開発することを目的としたものですが、今後は、メタボリック症候群の他の因子である高血糖や脂質異常に対しても、やまおく体操を取り入れた運動プログラムは効果があるかを検証する研究も計画されています。
高血圧や糖尿病、脂質異常症などの健康リスクを抱える方にとって、自分が魅力的だと思うやり方で運動に取り組むことが大切です。運動にはストレス軽減の効果も期待でき、1人ひとりに合ったずっと続けられる運動のやり方を見直す必要があります。この度発売された「おなかのお肉がみるみる落ちる! 筋反射ダイエット」本には、基本的な取り組みが書かれてあります。
2型糖尿病とともに生きる人が、ウォーキングなどの運動をするとき、夕食後に行うと効果が高いという研究を、米国のミズーリ大学が発表しています。運動は1日のどの時間に行っても効果がありますが、特に夕食後に運動を行うことで、血糖と中性脂肪の値の上昇を抑えることができ、心臓病や脳卒中などの心血管疾患のリスクをより効果的に減少できるとしています。
運動は強度や時間だけでなく、タイミングも重要であることが示されました。特にに夕食後に筋トレやストレッチなどの要素が含まれたやまおく体操を取り組むと高い効果を期待できます。
この度の研究班では、肥満のある2型糖尿病患者約20名を対象に、全く運動をしない群・夕食前に運動を45分行う群、夕食後に運動を45分行う群に別れて取り組んで頂きましたが、その結果、血糖値の上昇は、夕食前に運動をした群の18%減少に対し、夕食後に運動をした群は3割も減少しました。中性脂肪値の上昇も、夕食後に運動をした群の方が、より抑えられました。
毎日忙しくて、1日に運動をする時間を取れないという人も、仕事が終わった夕食後であれば比較的余裕があるのではないでしょうか⁈。
運動の最適な時間や方法は、個人により異なりますので、先ずは、ご自身の取組みやすい方法をみつけてみることから始められると良いかと思います。