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寒い時に熱を作る仕組みについて…Ⅲ

震えの発生に関わる神経経路について
平常時は、体温調節中枢である視索前野の神経細胞が視床下部背内側核の神経細胞を持続的に抑制しています。寒冷環境下で皮膚からの冷温度情報が視索前野に伝達される、もしくは感染が起こって発熱物質が視索前野に作用すると、視索前野の神経細胞の活動が低下し、視床下部背内側核の神経細胞が抑制から解除され活性化されます。それにより興奮性の信号が淡蒼縫線核を経て脊髄前核の運動神経を活性化することで、骨格筋のふるえが生じる。+印は、伝達先の神経細胞を活性化させ、-印は、伝達先の神経細胞を抑制することを示しています。



寒さの程度に応じて1.2.と段階的な熱を作る仕組みは、いずれも不随意的(無意識)に起こる体温調節反応です。これを自律性体温調節と呼んでいます。

人間のような恒温動物にとって体温の維持は命に関わります。身近な例をあげれば、お腹を冷やすと下痢をすることがありますが、これは消化管の温度が低下すると消化酵素が十分に働かなくなるからです。身体のエネルギー源は、ブドウ糖などの糖が酸化分解されてできるアデノシン三リン酸(ATP)ですが、その過程で働く酵素も体温が下がると働きが低下して、エネルギーが供給されなくなります。


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