早歩きのススメ Ⅺ
| 運動
高齢の方で、日常的に歩いているヒトと走っているヒトでは、
走る方が遥かにエネルギー効率が良く、
同じスピードで歩く時により省エネで歩くことが出来ます。
筋肉と骨をつなぐ腱のバネ機能が維持出来ているのも、理由の1つにあげられます。
筋が、力を発揮して短くなることを
コンセントリック(短縮性)収縮と言いますが、
コンセントリック収縮は、速度が遅いほど力が強くなります。
速度が、0になった状態を
アイソメトリック(等尺性)収縮といい、さらに力が強くなります。
逆に速度が、
マイナスになって筋が力を出しながら伸ばされることを
エキセントリック(伸張性)収縮といいます。
エキセントリック収縮は、さらに力が強くなります。
筋は、このようにゆっくりした速度で強い力を発揮できますが、
速い速度であまり強い力を発揮することができない仕組みになっています。
腱は、力を受けて伸ばされることで弾性エネルギーの形で力を蓄えて、
その後縮むことでその弾性エネルギーを放出し、力と速度を発揮します。
つまり、骨を引っ張り、カラダを動かす力は、
筋肉が生み出し、骨を引っ張る力・速度は、筋のそれと一致せず、
筋肉の両端の腱が骨を引っ張り、腱を含めた筋-腱複合体の力・速度と一致していることになります。
加齢により硬くなりやすい腱は、早歩きで保てる可能性が期待されています。