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ふらつき

高齢者はよくふらつきを訴えます。脳動脈硬化による脳貧血、三半規管等の五感の老化による平衡感覚の低下、姿勢の悪化、体幹の筋群の老化など、ふらつきの原因は多様といえます。

体幹の筋群を大別すると、腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋、腹横筋、多裂筋、大腰筋になります。歩いたり走ったりの動作において、肩と腰の動きを調整するのが腹部・腰部の表層にある腹直筋・内外腹斜筋・外腹斜筋・広背筋をグローバル筋、脊柱を中心に姿勢の保持やスムーズな動きを調整する腹横筋・多裂筋をローカル筋と呼んでいます。

ローカル筋は、姿勢の保持やスムーズな運動には、とても重要で、深層部に位置し、グローバル筋にローカル筋が加わって正確で効率の良い動きが生まれています。



これらの体幹の筋群は、姿勢を保つのに不可欠な筋肉です。これらが老化したら、脳や内耳がしっかりしていてもふらつくことになります。土台がグラグラすれば頭もフラフラするはずです。筋肉は歳を追う毎に拘縮(硬くなり縮んでいく)の傾向にあります。従って、ふらつきの多い方は体幹の筋群を鍛えることがとても大切です。これらを一度に鍛えようとするなら、やまおく体操がお勧めです。

やまおく体操に加え、持久系の運動も合わせて行うと、さらに転びにくくなります。



歩く走る動作において、身体を捻る動き(捻転動作)に使われる筋肉は、とても重要です。肩・股関節の動きを調整しているのが、それらの筋肉ですので、体幹にあるそれらの筋肉が働かなければ、成り立ちません。そんなことから体幹トレーニング等が、世の中で流行していきましたが、キツい運動は長続きせず、効果が出るのに時間がかかります。また体幹のみ刺激すると末端動作との不具合が、増えるばかりか、主動筋と拮抗筋のバランスも崩れ、肉離れなどの故障に繋がる可能性があることから、体操のようなトレーニングと動作を伴う運動がお勧めされています。

体軸を強くする(正しくは、体幹から末端に力を伝える)は、歩く走る際のストライドを変えなくても、推進力を増すことが出来るようになります。肩・股関節の連動性が、高まれば、同じ距離・スピードであっても、出力も下げられることに繋がり、走りの経済性が高まります。

大きい表層の大きい筋肉だけを鍛える腹筋・背筋は、歩く走る動作の捻り動作には、あまり関係ありません。グローバル筋とローカル筋の動きを考慮した刺激の仕方や鍛え方をご紹介したいと思います。

グロバール筋を刺激する
コロコロ体操A・コロコロ体操B
コロコロ体操Aは、腹直筋と腹斜筋を効率的に刺激出来るトレーニングです。また、初心者の方で、体幹トレーニングや、腹筋が、難しくてどうしても出来ない場合のトレーニング方としても採用されています。細マッチョ腹筋を目指しましょう。



コロコロ体操Aとは、腹直筋と腹斜筋を鍛えるためのトレーニングですが、腸腰筋への負担が、少ないため、腰痛等、故障に悩まされた方にも効果的です。また、お腹のたるみを解消し、くびれを作利、バランスをとらなくてはいけないため体幹部を鍛えるのに効果的です。

膝パタンパタン体操
股関節 パタンパタン体操は、股関節周辺部や、お尻の横の筋肉を鍛えるためのトレーニングです。股関節 パタンパタン体操は、太ももの内側、脚の付け根の股間に非常に近い内側部分周辺の筋肉である内転筋を刺激し、太ももの外側、お尻の横の筋肉である中殿筋、小殿筋等の外転筋群を刺激することができます。



垂れたお尻やゆるんだ太ももは、下半身の筋肉の衰えが原因。下半身を引き締めスタイルを良くするためには非常に有効的です。


ローカル筋を刺激する
あぐらストレッチ体操
あぐらストレッチ体操は、具体的に股関節のインナーマッスルの腸腰筋、臀部の大臀筋、中臀筋、小臀筋、大腿のハムストリングと呼ばれるハムストリングと呼ばれる大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、、太腿四頭筋、内転筋の弾力性が、増して、股関節をスムーズに動かせるようになります。



股関節が硬いままでは、可動域も制限され、身体の動きが鈍くなりがちです。そのため代謝の低下により、身体が、冷えて、お尻やお腹まわりに脂肪がつきやすくなります。あぐらストレッチ体操で、筋肉を刺激し、関節の動きを良くすると、血行が良くなります。下半身太りやむくみ、冷え、ぽっこりお腹、猫背などを改善できます。

 

上体振り子体操捻り
立って上体振り子捻り体操 は、立って上体振り子体操は、腹斜筋群・体幹を刺激します。特に腹斜筋群を大きく収縮、弛緩、 伸張をリズミカルに繰り返すことができるトレーニングになっています。



腹斜筋群は、一般的に腹筋と呼ばれる腹直筋と比べて普段から意識していない筋群であるため、立って上体振り子捻り体操を行いながら腹斜筋の使い方もマスターしていきます。

身体の軸を、しっかりキープ出来るようになるため、正しい姿勢の保持だけでなく、腰痛、背部痛の予防に効果的です。



片膝捻り上体振り子体操
片膝内捻り上体振り子体操は、腹斜筋群・体幹を刺激します。特に腹斜筋群を大きく収縮、弛緩、 伸張をリズミカルに繰り返すことができるトレーニングになっています。



腹斜筋群は、一般的に腹筋と呼ばれる腹直筋と比べて普段から意識していない筋群であるため、片膝内捻り上体振り子体操を行いながら腹斜筋の使い方もマスターしていきます。

身体の軸を、しっかりキープ出来るようになるため、正しい姿勢の保持だけでなく、腰痛、背部痛の予防に効果的です。


グロバール筋を刺激するには、コロコロ体操Aコロコロ体操B膝パタンパタン体操を、繰り返し行うことを、お勧めします。

ローカル筋を刺激するには、あぐらストレッチ体操上体振り子体操捻り体操 片膝捻り上体振り子体操を、繰り返し行うことを、お勧めします。

体幹とは、身体のコア(中心)となる部分のこと。お腹周りをイメージする方が多いかもしれませんが、腹筋だけを指すのではなく、背中や腰回りも含めた胴体の中心部全般を体幹と呼び、この部分を鍛えるトレーニング=体幹トレーニングとなります。

体幹が鍛えられると、身体の真ん中に一本の芯が通ったように安定し、軸がぶれなくなってきます。軸がしっかりすると、自然と背筋も伸び、綺麗な姿勢をキープできるようになります。電車やバスなどで立っているとふらついてしまう、という人は体幹を鍛えれば、ふらつきにくく、しっかりと立っていられるようになります。

テレビでお馴染みの姿勢が良くなる体操でご紹介したやまおく体操をしてみましょう。健康な方は、ふらつき解消は勿論のこと、姿勢が良くなりマイナス5歳若返って見えるようになるかもしれませんよ。


こむら返り

足がつることを、こむら返りと呼んでいます。主に夜におこる足のけいれん発作のことで、海外では、Leg cramps、Noctunal leg cramps という名称で知られています。自分の意志とは関係なく足にだけおこり、通常は痛みを伴うのが特徴です。また緩和しても、しばらくの間、筋を違えたのか?と感じる違和感さえ残ることもあります。こうした、足のつりは足や手などの筋肉が伸縮バランスを崩して異常な収縮を起こした結果、元に戻らなくなったためと考えられています。

こむら返りは、ふくらはぎの筋肉が一番有名ですが、足から太ももまで、脚のどこにでも起こる可能性があります。夜に発生することが多く、通常は数秒から数分しか続きません。



実はこむら返りは、非常にありふれた疾患でもあります。歳を追う毎に発生頻度も高くなり、50歳までに誰もが一度は経験し、50歳以上の3割の方がこむら返りになると言われていますが、あくまでも統計データであって、年齢との科学的根拠はわかっていません。

一般的にアドバイスされる予防策

・水分・ミネラルをこまめに補給する

・身体を冷やさない

・湯船に浸かる

・空いた時間でストレッチや屈伸をする

・栄養バランスに気を配る

・重い掛け布団を使わない

・ハイヒールなどの着用を控える…等々です。



その予防策から伺える原因とは…

・活動の少ない高齢者の筋肉の長さが短くなっている

・妊娠

・脱水

・電解質異常:マグネシウムやカルシウムの欠乏など

・慢性腎不全(透析されている方など)

・末梢の血管疾患(静脈・動脈):静脈瘤や動脈硬化など

・末梢の神経障害: 腰椎椎間板ヘルニア・糖尿病など

・甲状腺機能異常

・慢性肝不全



日中の休んでいる時にもこむら返りを発生することもありますので、夜との関係だけでも未だ不明です。一般的にご紹介されている予防策を拝見しての原因を推測すると、たかがこむら返りとも侮れません。でも筋肉は、脳で抑制制御されている訳ですから、神経筋制御論に沿って予防改善法をご紹介してみますので、気になる方は、お試し頂ければと思います。

下腿三頭筋
下腿後面にあり、通称ふくらはぎと呼ばれています。腓腹筋とヒラメ筋からなっていて、前者は2頭で大腿骨下部から、後者は1頭で下腿骨後面から起こり、計3頭です。 ふくらはぎのふくらみをつくる。 下方は両者合してアキレス腱となり踵骨にくっついています。

腓腹筋は、浅層にある筋肉でヒラメ筋とは異なり膝関節をまたぐため、つま先を伸ばす運動や膝を曲げる運動に関係します。疲労しやすい筋肉でもある為、こむら返りが起こるのは腓腹筋の痙攣によるものと言われています。

ヒラメ筋は、腓腹筋と同じくつま先の運動に力を発揮する筋肉です。ヒラメ筋は膝が曲がっている時でも筋力を持続させる事が出来ます。歩く際によく使われる筋肉なので疲労が溜まりやすいのも特徴です。



仕組みや働きがわかっているのに、こむら返りの予防改善法として紹介されているのは、いずれもハムストリングやふくらはぎといった脚の後ろ側の筋肉を伸ばすさまざまなストレッチです。前回でも述べましたが、筋を長く伸ばす動作は、大脳皮質(脳)からの随意的指令が、動作の途中で強く続く続くために、逆効果につながります。

膝ひらき体操



膝ひらき体操は、太ももの内側にある内転筋群を刺激するトレーニングです。内転筋群は、股関節を内転させる動作で、力を発揮しています。普段あまり使わない動作になるため、まめにされると良いでしょう。

骨盤周辺の臀部の筋肉や骨盤底筋群、体幹などの深層筋が、股関節の動きを安定させます。しなやかな動きは、硬過ぎず、柔らか過ぎない弾力のある筋肉によって生み出されます。関連する筋肉と協力しあいながら、股関節は、様々な動きを可能にしています。

立って上体振り子捻り



立って上体振り子体操は、腹斜筋群・体幹を刺激します。特に腹斜筋群を大きく収縮、弛緩、 伸張をリズミカルに繰り返すことができるトレーニングになっています。

腹斜筋群は、一般的に腹筋と呼ばれる腹直筋と比べて普段から意識していない筋群であるため、立って上体振り子体操を行いながら腹斜筋の使い方もマスターしていきます。 身体の軸を、しっかりキープ出来るようになるため、正しい姿勢の保持だけでなく、腰痛、背部痛の予防に効果的です。

片足クロススクワット



片足クロススクワット体操は、下半身の筋肉を中心に背筋や腹筋など全身の筋肉を効率よく鍛えることができます。片足をクロスさせることで、肩関節から腸骨までの距離の左右差が、少なくなり、腹斜筋(脇腹)も、一緒に鍛えるトレーニングです。

腹斜筋を鍛えることによってお腹の引き締めてくびれを作る効果があります。腹斜筋も筋肉なので、鍛え過ぎてしまうと発達しすぎてしまい、ウエストが、太くなる可能性もありますので、片足クロススクワット体操で、適度に刺激することで、引き締めに期待ができます。

身体の軸を、しっかりキープ出来るようになるため、正しい姿勢の保持だけでなく、腰痛、背部痛の予防に効果的です。

この3つの体操を3〜5周行ってみましょう。


テレビでお馴染みのO脚予防・改善やまおく体操もこむら返りの予防・改善に効果的です。つっぱりが酷い時は、上手に出来なくでもかまいません。できる範囲で試してみてください。


ストレッチングの意味⁈ Ⅴ

怪我の多くは、怪我の起きるシュチュエーションを回避できなかったことで起きています。

例えば、30度まで行くと可動域を超えて捻挫するならば、30度未満の間に筋肉が動いて引き戻せば怪我を回避できます。

怪我するまでに筋肉が働く、引き戻すだけの筋力が、あれば怪我をしません。

ですので、筋肉の弾力性を高めておく努力が、必要です。


怪我を起こるシチュエーションを回避できなかった理由には、
筋肉の働きが間に合わなかった以外に、
怪我のシチュエーションになっていることに気づけなかったと言うこともあります。

例えば、同じく足首の例で行くと、
足首を捻った状態で地面に足を着くと、
そのまま体重が乗って30度まで傾き捻挫します。

しかし、人間の関節にはセンサーがあり、傾きを感知できるようになっています。

そのセンサーがちゃんと働き、
10度足首が傾いたことを察知していれば、
足が着く前に足の傾きを修正できた訳です。

これを予測姿勢調整能と言います。

この関節の認知機能は、固有受容というもので、
ジョギングや跳躍などで鍛えられることが、いくつかの論文でもその効果が証明されています。

ストレッチは、実は、ほとんど意味が無いと言うことになりますね。


ストレッチングの意味⁈ Ⅳ

健康づくりに、怪我を防止するために、何をすれば良いのでしょう?


健康づくりに、怪我の予防に、
静的ストレッチが効果的でない可能性が色々と考えられるということは理解いただけたと思うのですが、
どうすれば、健康づくりや、怪我を防げるのか?考えてみますと、筋肉をきちんと動かせるようにする。

カラダをきちんとコントロール出来るようにすることじゃないでしょうか。


ストレッチングの意味⁈ Ⅲ

怪我は、カラダの骨や靭帯、筋肉などの組織が耐えられる以上の力が掛かった時に起きます。

他動的可動域(PROM :Passive Range of Motion)は、
例えば、30度しか動かせなかった関節を35度まで動かせるようにすることが目的です。

つまり、他動的可動域(PROM :Passive Range of Motion)を
改善することで防げる怪我というのは、30度では過剰な掛かっていたけど、
35度では掛からないような場合です。


では、捻挫をイメージしてみましょう。

30度だったPROMが35度になったところで、足首にかかるのは同じ体重です。

35度の方が、モーメントアームが長くなって若干、負担が大きくなります。

根本的に、他動的可動域(PROM :Passive Range of Motion)は、怪我予防に関係ないと思いませんか?。


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