記録的高温の昨年夏に並ぶ
都市化の影響が小さく地域の偏りを考慮した15地点(※)の観測値による、2024年の日本の夏の平均気温偏差は速報値で+1.76℃となりました。 これまでの記録を大幅に更新した昨年と並ぶ過去最高です。特に梅雨が明けてから8月にかけては西日本、東海を中心に夏空が継続し、厳しい暑さが続きました。福岡県太宰府市では7月19日から8月27日まで40日連続猛暑日となり、日本歴代最長を記録しています。
また、8月の平均気温は西日本や東海の主要都市で軒並み30℃を超え、広島市の30.7℃、福岡市の30.5℃は観測史上1位の高さです。名古屋市は日最高気温で過去10位以内に入った日はないものの、8月上旬の10日間の最高気温の平均が38℃を上回るなど、高温の日が連続しました。
ウェザーニューズ気候テックチームが1976~2010年のデータの解した結果、名古屋市で8月上旬の最高気温の平均が38℃以上になる確率は1%未満で、非常に稀な暑さです。温暖化が進んで平均気温が2℃上昇した場合のシナリオで解析した結果では、発生確率が約8倍に上昇。もし温暖化が進行するのであれば同様の暑さが起こりやすくなると考えられます。
※算出に使用している地点
網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島
上昇した体温を下げるために、汗は大切な役割を果たしていますが、湿度が高いと汗の蒸発が妨げられ、体温調節などの自律神経の乱れが起こり、身体の不調を引き起こします。 それにより食欲不振や消化機能の低下、また暑さによる睡眠不足が重なり、慢性的に疲労が貯まる夏バテを多くの方々が体感されたのではないでしょうか?
努力や工夫の仕方を変えてみる…
40歳を過ぎると一般的には、体力や気力が衰えていく年代と言われ、スポーツ選手であっても最高の成果を出せる疲れない身体、もしくは、折れない心の作り方の努力や工夫の仕方を変えていく必要があります。それでは、疲れない身体づくり、折れない心の作りのために何を心掛ければ良いのでしょう?復習を兼ねて、いくつかまとめてみました。
やまおく体操で姿勢を整える…
僕は、滅多にデスクワークをすることがありませんので、長時間の座り慣れをしていないのですが、もしある場合は、ほとんど姿勢を変えません。背筋が真っ直ぐに伸びた状態の姿勢を無意識に出来るように、椅子を低めに設定して前の方に座り頭の天辺から糸でピンッと引っ張られているような状態にしています。
背筋を伸ばしたままなんて逆に疲れるのでは?とよく言われますが、正しい姿勢でいると長時間同じ姿勢でも疲れを感じないものです。逆に、姿勢が悪いと身体のバランスが悪くなり、それだけで身体に余計な負担がかかってしまいます。
異常姿勢は関節や筋肉の構造に影響し、それらは頭痛・腰痛・肩こり・下肢関節疾患や抑うつの発症と強く関連しています。スポーツの現場でも、腰椎前弯症やスウェイバックといった異常姿勢は、肉離れや膝関節疾病の発生率も高くなります。
理想的姿勢とされる骨盤直立姿勢と異常姿勢であるスウェイバック、骨盤前傾姿勢の異なる姿勢をとらせたトレッドミル上での歩行では、骨盤直立歩行では、内腹斜筋の活動に伴い、体幹が安定化することで骨盤変位が減少しました。体幹深層筋の活動が賦活化することで、それら異常姿勢時の骨盤変位を有意に減少させていることが分かりました。
骨盤前傾ポジションでは、遊脚終期からの立脚初期の骨盤回旋角度が増し、前方重心を認められました。筋活動では歩行周期全般で脊柱起立筋および多裂筋の活動量が増えました。内腹斜筋においては、歩行周期全般で活動量が低下しました。体幹前傾姿勢に対する姿勢保持に背筋群の活動が亢進し、その結果接地時の衝撃吸 収に骨盤回旋が生じていると考えられます。
上半身が下半身より後ろに位置した状態で反り腰に猫背を合わせたように見えるスウェイバックポジションでは、立脚初期の側方傾斜、股関節、膝関節屈曲、足関節背屈角度が増し、重心位置の低下が認められました。筋活動において歩行周期全般で腹直筋の活動量が増し、内腹斜筋、腸腰筋の活動が低下しました。また立脚初期の大腿直筋、縫工筋の活動量が増加しました。胸椎後弯に対して身体を保持するため、下肢に屈曲反応が生じ、体幹・下肢の表層筋の筋活動が増す傾向があります。
スウェイバック、骨盤前傾姿勢は、いずれも歩行および筋活動に影響を与えます。それらは姿勢変化に伴い立脚初期の荷重応答が変化することで、歩行時の骨盤動揺を増加させるからです。「おなかのお肉がみるみる落ちる! 筋反射ダイエット」を参考にしながら、姿勢をいつも良くするように心掛けましょう。
15分程度の早歩きでリフレッシュ
長時間移動の後は、疲れたなと感じることがあります。そんな時は、現地に着いたら15分程度の早歩きをするようにしています。軽く身体を動かすことで、心身ともにリフレッシュし、むしろ疲れがとれるからです。例えば、最初の5分程度をゆっくり歩きます。その後、15分程度の早歩きをして、最後に5分程度ゆっくり歩いて、やまおく体操をして整えます。
これを積極的休養と呼ばれる疲労回復法です。 安静・休養・睡眠などの静的休養法に対し 疲労時に軽く身体を動かすことで血流の改善を図り、疲労物質の排出を促します。 もともとは連戦を行うスポーツ選手が素早く疲労を抜くことを目的として作り出された疲労回復法の1つでもあります。
積極的休養としてお勧めな運動は、ウォーキングなどの軽い運動ですが、少し筋肉に負担を与える早歩きを推奨しています。過剰な運動では血流を阻害してしまう動作も多いため、血液中に老廃物や疲労物質が滞り、万人受けしません。心拍数〜120拍/分程度の少し息が上がるくらいの軽めの努力で行える運動を行うと良いでしょう。
じんわり汗をかくことは、体内の老廃物や疲労物質などを体外に出し、代謝を良くするためにも効果的といわれています。疲れない身体づくりのために代謝を上げることに注目してみましょう。
また、毎日行わないとと考えると逆にストレスになりますので、1日置きか二日置きの気が向いたときに15分程度早歩きをする1だけでも、十分リフレッシュになると思います。
10日に1回程度のサウナ浴を取り入れてみる
運動することにより上がった体温を下げるために汗が吹き出ますが、身体の中では、水素(H)と酸素(O)が結びついてエネルギー(ATP)を作り、その副産物として水(H2O)を作り、汗や尿として体外に排出されています。また水素には、抗酸化作用があり、体内の余分な酸素(活性酸素)と結びついて体外に排出してくれます。適切な温度下で心地良い運動をリズミカルに継続することで、効率良く老廃物や疲労物質等の要らないものを体外へ排出することが出来ます。
早歩きなどの運動と並行して汗をかくために、10日に1回程度のサウナ浴を取り入れてみては、いかがでしょう?最近は、サウナブームとあって、国内外を問わず移動先のホテルにもサウナが併設されていますので、積極的休養として活用することが出来ます。
お勧めのサウナ浴は、サウナとシャワーのぬるま湯を使って温冷交代浴です。身体に温冷交互に刺激を与えると末梢血管が開き、老廃物や疲労物質等の要らないものを体外に排泄されやすくなるので、疲労予防や疲労回復効果があります。最初は短く感じますが、サウナに入るのを3分、ぬるま湯、もしくは、水をかぶること1分。これを3~5回繰り返します。
また、冬の冷たい水なら1分も耐えられませんので10~20秒くらいに短縮しても構いません。回数も3~5回としていますが、慣れれば7回くらいおこなっても構いません。温冷交互浴ビギナーさんは、温で始まり温で終わっても構いませんが、慣れてきたら冷で始まり冷で終わるのも構いません。慣れると血管の拡張や縮小が容易になりますので、冷で血管を引き締めた後、自ら血管を広げようとする力が働き血行が良くなります。
温冷交互浴は、疲労回復や疲労予防の入浴法ですが、冷え性改善にも大いに力を発揮してくれます。とにかくじんわり汗をかくようにしてみましょう。
代謝を上げる食材を取り入れる
日頃から意識して取り入れるべき食事は、年々下がる代謝を逆に上げるために代謝アップを促進してくれる食材を効果的に摂ることです。
代謝を上げる食材とは、身体を冷やさない、脂肪を燃焼しやすくする、筋肉の働きをよくするなどの食べ物のことです。アミノ酸・ビタミンB群・カリウム・ヨウ素などを多く含んだ食材になりますが、気にかけて取り入れているのが、下記の食品となります。
【代謝を上げる食材の例】
アミノ酸が多い食材:卵、レバー、牛乳、チーズ など
ビタミンB群が多い食材:豚肉、うなぎ、青魚、玄米、納豆 など
カリウムが多い食材:納豆、みそ、豆腐 など
ヨウ素が多い食材:コンブ、ワカメ、ハマグリ、青魚 など
体を温める食材:トウガラシ、生姜、長ねぎ、カボチャ など
40代を過ぎると、どうしても代謝が落ちてきます。普段から代謝を上げる食材をうまく取り入れることで、疲れない身体づくりをしてみましょう。また後ほど、代謝を上げる食材を取り入れたお勧めのレシピもご紹介いたします。
やまおく体操で下半身の動きを滑らかにする
ちょっとした段差につまずきやすくなった、ズボンをはこうと思ったら尻もちをついてしまった等、普段の行動に変化を感じることはないでしょうか?運動不足以上に、しなやかな筋肉や滑らかな動きが低下していることが原因というケースも少なくありません。
下半身の筋肉を急激に減らさないのは勿論のことですが、しなやかな筋肉と滑らかな動きを維持させることで、行動が楽になったり、安定感が出てきたりして、身体への負担も少なくなります。
40歳を過ぎたら、従来の筋トレよりも筋肉本来のバネの機能を取り戻すためにも、筋肉の伸び縮みを伴うダイナミックエクササイズを増やしていきましょう。やまおく体操だと、運動の上手い下手など関係なく、誰もが取り入れられますから、ケガや故障の予防のみならず、リラックス効果も期待できるなど、日々の身体をサポートしてくれるでしょう。