日々の早歩きが健康に良い…
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活性酸素とは、他の物質を酸化させる力が強い酸素化合物のことです。とても不安定で、他の物質と反応(酸化)しやすいという特徴を持っています。
例えば、過酸化水素(オキシフル)を使って解説しますと、水の分子式はH2Oですが、過酸化水素はH2O2となっているため、酸素が不安定な状態にあります。これによって活性酸素を生じやすく、傷口につけると細菌に反応して殺菌効果を発揮します。
なのに活性酸素が身体に悪いものと言われるのは、体内に過剰に存在すると、その強力な酸化力を発揮するからです。酸化力によって体内の細胞を傷つけ老化を早めたり、様々な病気を引き起こしたりする原因になるといわれています。
心疾患(心筋梗塞、不整脈など)・脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)・呼吸器疾患(肺炎、肺気腫など)・生活習慣病(糖尿病、動脈硬化など)・脳神経疾患(アルツハイマー型認知症、パーキンソン病など)・がん・アトピー性皮膚炎・関節リウマチなどが、活性酸素が原因のひとつになるといわれている主な病となります。
ただ活性酸素は身体に悪いものだから体内からすべて排除しなければならないというわけではありません。活性酸素は強い酸化力で細菌やウイルスなどの異物を撃退したり、細胞から細胞へ情報を伝えたりといった、人体にとって有益な働きをする物質でもあります。
1分辺りの心拍数160拍以上の激しい運動をするなどで増え過ぎてしまった活性酸素が問題となるだけで、異物だけでなく正常な細胞まで傷つけるようになります。活性酸素による老化や病気を予防するには、体内の活性酸素が過剰にならないようコントロールする営みが大切になります。
全身の筋肉を動かすには、多くの酸素を必要とします。運動時には血流量や呼吸量を増やして多くの酸素を体内に取り込むため、強度が高い激しい運動が活性酸素の発生量を増やしてしまうのです。
活性酸素を防ぐための運動とは、適度かつ習慣的なものであることがポイントとなります。
適度な運動習慣といっても、適度と感じる運動の強度や時間には個人差があります。適度な運動習慣の1つの目安にとして、運動と日々の生活活動を合わせた身体活動に着目したMets:メッツを強度とした基準表を参考にしてみましょう。
人は呼吸によって酸素を体内に取り込んでいます。体内に取り込まれた酸素の数%は、活性酸素に変化するといわれているため、人の身体には常に活性酸素が発生し続けています。しかし、それではすぐに活性酸素が過剰になってしまうため、あらかじめ人の身体には、抗酸化防御機能が備わっています。
抗酸化防御機能とは、活性酸素を取り除いたり、活性酸素で傷ついた細胞を修復したりする働きなど、酸化に抗って身体を守る機能のことです。体内で活性酸素が過剰になるのは、活性酸素の発生量が増えるなどして、抗酸化防御機能を活性酸素の発生量が上回った場合です。ですので、一般的に、活性酸素が過剰にならないよう努力や工夫が必要になるのです。
最近の研究では、習慣化された運動やトレーニングには、抗酸化防御機能を高める効果があることが分かっています。また、軽い運動は活性酸素の発生原因となるストレスの解消にも効果があります。
どうせ運動するなら、より効率的な運動をして成果を出したいところでしょう。また、そんなニーズに応えるよう、世の中には例えば指先を鍛えると頭がよくなるとか、下半身のトレーニングがダイエットに効くとか、諸説が流布しています。
しかし、運動について科学的に検証されたものが少ないのが現状で、医学的にも未だ分からない部分も多く、統一的な見解がありません。どの部位をどのように鍛えればどうなるというほど、身体も単純に出来ていないと思います。長年運動したり運動指導して来て、コレは、というものをご紹介するとしますと、早歩きや軽いジョギングや水泳のような全身運動・球技や団体スポーツ・楽しみながらやるの3点だと思っています。
早歩きや軽いジョギングや水泳のような全身運動は、脳の血流も上がり海馬の神経細胞の新生を助けるとも言われています。球技や団体スポーツは、単に身体を動かすだけではなく、戦略等で頭を使うため脳に悪いはずがありません。楽しみながらやれる運動は、気軽に取り組めて遊び感覚で続けられる誰にでも出来る運動なのだと思います。
激しく運動している人が意外と若々しく見えないのは、こんな秘密があるからじゃ無いでしょうか…。